千葉県の葛飾幼稚園の年長さんだった私は、唐突にパリ17区の公立小学校St. Ferdinandに入学した。
フランスの新学期は9月で、着いたのが11月だったから、12月とか1月とかに入ったんだと思う。
もちろんフランス語なんてできるわけもないから、 周りが何を言ってるのかわかるはずもない。
先生がつきっきりだ。時折ちょっとめんどくさそうだ。
小1から万年筆を使わせるから、指がインクだらけで真っ青だ。
書かされているものが文字なのか絵なのかもわからない。
そして、子供は大人よりも残酷だ。
アジア人を間近で見たことがなかった子供たちは、 明らかに私をバカにする。
みんなで集まって私の前に立って、 意地悪そうに笑いながら私を悪口を言う。
何を言われているかわからないけど、からかわれてるのはわかる。
「黄色い顔」「でか頭」とか言われてるのも、なぜかわかる。
なんでだろう。
なんでわたしはこんなところに居るんだろう。
わたしはみんなと違うのかな。
なんでわたしはみんなと違うんだろう。
なんでみんなと違うとバカにされるんだろう。
泣きながら家へ帰る日々が(少し)続いた。