読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

For No One

パリ、東京、ニューヨークでの思い出話や日々思うことをつらつらと書いていきます。

ニコル先生

最初の何年間か、ニコルという家庭教師に来てもらっていた。
白髪まじりのボブが似合う、鼻の高いスイス人の女性だった。
 
とてもおだやかで優しい人だった。
私は友達だと思っていた。
 
私が学校でみんなにバカにされていることを伝えたら憤慨し
「次に何か言われたら、言い返せる言葉を教えてあげましょう」と言われた。
 
「バカ」とか「アホ」では、彼らのレベルに合わせてしまうことになるから、
彼らがギャフンと言うようなことを言い返すのよ。
 
ということで、
「あなたの頭の中には光が無いのね」とか
「まさかあなたたちが言っていることが理解できないと思ってる?」とか
長い文章を教えてくれて、私はそれを必死で覚えた。
 
それを使う日は、すぐに訪れた。
いつものように囲まれて、からかわれる。
そこで私は秘密兵器を口にした。
 
"T'as pas d'lumiere dans la tete!" (あんたの頭の中には光がない!)
 
みんなが目を丸くして仰天する姿を、今でも覚えている。
 
その瞬間から、私はみんなに認められ、クラスの人気者になった。
子供はその辺素直だから、からかわれ問題はそれであっという間に解決。
 
それからは友達もできて、フランス語も半年くらいでできるようになり、
楽しい小学校生活を送った。
 
でも、小3で日本人学校に転校することになる。