ものすごく時間があいてしまいました。
今日はクリスマスイブってことで、それにちなんだ思い出話を。
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うちはとにかく客が多い家だった。
父がすぐに会社の同僚を連れてくるし、
母は母で友達を呼ぶし。
学校から戻ってくると、いつも誰かしらうちでお茶を飲んでいた。
そんなものだからクリスマスはそれの集大成だった。
単身赴任でパリへ来ている同僚を全員呼び、
その他の友人も呼び、
毎回15人くらい来ていた。
料理は全て母の手作りだ。
中学2、3年生あたりから、ケーキ担当は私になった。
朝からマルシェへ行って、七面鳥やらステーキやらフォアグラやら生牡蠣やらチーズやらを大量に買い込む。
ゆで卵に切り目を入れてケシの実をつけたりグローブを刺したりして、小鳥のように飾り付けてサラダの中央に。
栗やお米でフィリングを作って、七面鳥に詰めてオーブンで焼く。
フォアグラはステーキに乗せて、ロッシーニに。
ケーキはダークチョコとマスカルポーネのクリームで作ったロールケーキ。
チョコクリームの表面をフォークでひっかくと、木の幹のようになる。
父はシャンパンやワインの調達だ。
そして人数分のメニューを、私がカリグラフィー用の万年筆で一枚ずつ書く。
お皿もみんなリモージュのお揃いで、ナプキンも折り紙のように折って綺麗に置く。
ナイフ、フォーク、スプーンは全て二本ずつ。
そんなに広くない家のリビングが、立派なフレンチレストランの個室になる。
みんな、一張羅を来て、ワインやケーキを片手にやってくる。
散々飲んで食べてご機嫌になった大人たちは、
私といつもトランプで遊んでくれた。
クリスマスは、とびきり特別な日だった。
自分が友人を呼んで料理を振舞うようになってから思い返すと、
母はよくぞあんな大変なことを毎年やっていたと思う。
お正月も大体人がたくさん来てたし。
「単身赴任は寂しいから、クリスマスはうちでフルコースを」
というのが親のモットーだったと思われる。
見習いたいが無理そうだ。