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For No One

パリ、東京、ニューヨークでの思い出話や日々思うことをつらつらと書いていきます。

Dupanloup中学校

転校先の中学校は、Collège Dupanloupという私立の中学校だった。
一度フランスの首相になったEdith Cressonという女性が通っていたらしい。
カトリックの学校で、そこのシスターはみんな男性の名前がついていて、教えたりもしていた。
だからシスター・パトリックとか、シスター・ピエールとかが化学や歴史を教えたりしていた。

日常会話は問題なかったけど、学業に関しては3年近くのブランクが空いていたので、
フランス語のキャッチ・アップが必要だった。

そこで、受けなくても比較的進学に支障の無い授業の時間を使って、
シスターがフランス語を教えてくれていた。

「受けなくても比較的進学に支障の無い授業」とは、
体育・道徳・そしてカテキズムだ。

カテキズムをウィキったら「正教要理」と出てきたが、
つまり聖書の教えを説く授業だ。
カトリックじゃない私にはそもそもあまり関係のない授業だったので、
それは結局一度も受けないまま卒業した。

制服はなかったが、Blouseなる青い白衣(?)を服の上から着ることが義務づけられていた。制服と同じ役割で、貧富の差を目立たなくするためだと思われる。

日本人学校でも国語が得意だったように、シスター・ルイに教わるにつれて文法がメキメキ上達していった。この仏語の文法のややこしさが愛しくて、例外のほうが多いのがたまらなく好きだった。

中学2年生の頃だっただろうか。
Dictéeのテストが返ってくる授業だった。
Dictée(Dictation)とは、先生が読み上げるテキストを書き取るテストだ。
仏語は発音しないのに書かなきゃいけない文字がたくさんあるので、
大人でも苦戦する科目だ。
Dictéeだって、「ディクテ」としか発音しないのに最後にもう一つ「e」がつく。
中学校の名前も、最後に「p」がつくのに「デュパンルー」だ。

答案用紙を返す前に、先生が神妙な顔をして話し出した。

「今日は、非常に情けない事態が起きました。
国語のレベルを判定するこのディクテのテスト、
一番良い点数を取ったのは誰だと思いますか?
それは、あなた方の中で唯一フランス人ではない生徒です。
あなたたち、恥を知りなさい。」

唯一フランス人ではない生徒とは、私のことだ。

本来なら嬉しいことなんだけど、先生は情けなさに打ちひしがれているし、
クラスメートもなんかバツの悪い顔をしているし、
なんだかものすごく腑に落ちないぞ。なんだこのモヤっとした感じ!

ちなみにフランスのテストは、20点満点で、
ディクテの場合、文法の間違いはマイナス2点、スペル違いは1点、アクセントの間違いは0.5点など、間違いのレベルによって減点が増減する。

確かその時は18.5点とかだった気がする。

シスター・ルイだけは、この結果をものすごく喜んでくれた。

 

他にもポロポロと思い出すことはあるんだけど、まとまりがないので次回へ続きます。