For No One

パリ、東京、ニューヨークでの思い出話や日々思うことをつらつらと書いていきます。

妊娠に至るまで ④ 〜不妊治療〜

不妊治療の詳細については、たくさんの方々がものすごく細かくブログに書いているので、印象的だったことだけ書こうと思います。

 

初診は夫も検査を受けるので、朝10時の予約に一緒に行った。

待ち時間が長いのはお互い覚悟していたけど、12時を過ぎても名前を呼ばれなかったときはさすがにちょっと不安を覚えた。誕生日だし、終わったらランチ何食べようかな〜なんて考えていた私は超甘かった。

13時過ぎにやっと名前を呼ばれ、お互い一通りの検査が終わって、やっと最後に先生の説明を聞いている最中も、

「ごめんなさい、移植が入っちゃったので20分ほど待っててもらっていいですか?」と、待合室に戻されたりもした。

別にもう合計4時間近く待ってるからいいけどね。ていうか移植ってそんな簡単にできるのか。

待っている間、主に携帯ゲームで時間を潰していたので、夫も私も携帯の充電が20%を切っていた。

結局クリニックを後にしたのが、15時。

そう、5時間かかりました。

不妊治療、あなどれない。。。

 

次の通院からは会社を休んで平日の午後などに行っていたので、そこまでひどい待ち時間ではなかったけど、2ヶ月間通った結果、2時間やそこらの待ち時間じゃビクともしなくなった。その忍耐力は今の産科でも大いに役立っている。

 

初診のときに、「とりあえず今回は自然なサイクルで体外受精してみましょう。生理3日目に始めますから、生理が始まったら予約してくださいね」と言われたら、体が非常に素直に反応して翌日生理になった。時間を無駄にしない気満々だ。

 

流れとしては、以下の通り。

  • 生理3日目検診→正常に排卵しそうかどうか調べる
  • 排卵日の2、3日前→採卵日まで排卵するのを抑える座薬と鼻スプレーを処方され、きっちり指定の時間に服用する
  • 排卵日→採卵。この日は夫も同行し、精子を採取。培養士の説明を受ける
  • 排卵+1日→電話で受精確認
  • 排卵+2日→血液検査で問題がなければ移植
  • 排卵+10日→採血で着床判定
  • 5日おき〜妊娠8週目(心拍確認)→内診、ホルモン剤処方

通院するたびに万単位でお金がかかり、採卵と移植のときは十数万ボーンと取られ、妊娠8週に入り産科へ移る(=クリニック「卒業」)際には成功報酬でさらに数十万ボーンと取られる。

料金メニューは年齢によって3段階に分かれていて、年を重ねるごとに1回ごとの治療費が高く、成功報酬が低くなっていくというえげつないもの。私は真ん中の段階だった。

私たちは幸いにも一回で全てうまく行ったけど、採卵や移植でうまく行かなかった人たちはまたそこからやり直しで、それを繰り返している人もたくさんいるわけだ。何回もやれば割引になるわけではない。何度も言うけど、少子化って文句言ってんじゃねーぜ、日本…。

 

治療中苦痛に感じたのは、採卵だけだった。

採卵にかかる時間はほんの5分くらいだけど、まあ痛いのなんのって。手術台に横になったら看護婦さんが手をものすごく強い力で握ってきたので「なにすんのさ!」と思っていたけど、それがものすごく救いになって、爪痕が残ってしまったんじゃないかと思うほど看護婦さんの手にしがみついてしまった。久々に変な汗が出た。

あとは移植なんて卵をチョンと入れるだけなので、手術台に居たのは1分くらいだったような気がする。

移植の数日後「血液検査によると、ちゃんと着床してますね〜」と言われたときもピンと来なかったし、妊娠8週で先生に「あ、心拍見えますね〜、白くピコピコしてるの見えます?これが心臓ですよ」と言われても何が何やらわからなかった。

でも卒業の日、やっと先生に笑顔で「妊娠おめでとうございます、これからが大変ですが頑張ってくださいね」と言われたときにじわっと実感が湧いた。

ナースさんに産科決まってますか?と言われ、既に見学して決めていた病院の名前を伝えたら「私もそこで産んだんですよ〜、でもあそこ待たされるから気をつけてね」と言われたので「待ち時間はここで慣れたので大丈夫です」と返事したら「そっか、そりゃそうよね!」と笑われた。

とにかく、まだ実感無いけど晴れて妊娠だ!本格的に禁酒だ!禁煙だ!

仕事辞めるぞ!

A suivre.