For No One

パリ、東京、ニューヨークでの思い出話や日々思うことをつらつらと書いていきます。

受験など

おっと、一年以上更新していなかったのか。びっくり。

息子も一歳半、楽になった部分(ほぼほぼ取り分けでよくなった食事の準備とか)と大変になった部分(私が洗っている間足元をウロチョロされるお風呂とか)があるけど、良く食べるし良く寝るし今のところ健康優良児に育っていてありがたい限り。

 

イライラしたり落ち込む日もあるけど、こうして二人でたくさん時間を過ごすのもあとわずか…って、もしかして来年から幼稚園?!

慌てて調べたら、入園する時点で3歳になっていなければなので、再来年でした。

あぁ、良かった。心底安心した。あと一年サバティカルイヤーを延ばしてもらった気分だ。

 

まだもう少し先の話だけど、日本で教育を受けていない私がちゃんと学校へ通う息子をサポートできるか心配だ。

きっとなんとかなるけど、私の精神的負担があまり重くならないことを祈る。

 

というわけで、フランスの進学のおはなし。

何回かに分けてアップすると思います。

 

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エリートコースへ進まない限り、フランスは高校・大学に入学するための試験は無い。

中学を卒業するとき(Brevet)と、高校を卒業するとき(Baccalauréat)に、国家試験がある。それに受からなければもちろん留年だ。

中学は義務教育なので、よほどのことじゃないと落ちないようにできている(と、思う)。

高校2年から、理系・経済系・文系の中から進路を選び、それに応じて授業と卒業試験の内容が変わる。

全体的に成績が良ければ、理系へ進むことを推奨している。

理系から文系への転向は簡単だが、逆はまず不可能だからだ。

高校1年までの成績はまあまあだったので、勧められるまま理系を選んだら、高3からその高校で一番頭の良い生徒が集まる特殊クラスみたいなのに入れられ、私の成績はあっという間にビリから2番目になった。

そのクラスの生徒はそもそもエリートコース(受験が必要な私立大学Grandes Ecoles)しか目指していなかったので、授業の内容も卒業試験対策ではなくその先のことを教えていた。

なので最後の1学期、私は高校へほとんど行かず、家で卒業試験の過去問をひたすら解き続けた。

先生方には留年するだろうと言われていたけど、ちゃんと受かったもんねざまーみろ!!

 

ということで、無事卒業資格を取得したら、当時(24, 5年前?こわい)はインターネットの先祖のようなMinitel(ミニテル。画面つきの電話のようなもの?)に第三志望まで行きたい大学と学部を登録する。

すると定員に達しない限り、第一志望の大学へ進めるという流れだ。

医学部でもこのシステムで入れるので、容易に想像できるように一旦入ってから進学するのが本当に大変なのだ。

私はパリ第十大学の国際経済・英語学部へ進んだが、留年せずに大学3年まで進学できる学生が半数に満たないとかだった気がする。

大学の4年間、人生で一番勉強した。何しろ年に4回受験しているようなものだったのだ。

図書館はいつでも満席、少しでも友達と話していると怒られる。

バイトなんてする時間があるはずもない。

教授の都合で休講になると、学生は振替の講義がいつか知るために掲示板へ殺到した。

※数年後に東京のW大学へ科目等履修生で1年間だけ通った際、同じく教授の都合でゼミが休講になったので振替の講義はいつかと思っていたら、教授がお詫びにと言ってランチをご馳走してくれたのにはびっくりした。学生もそれを当たり前のように受け入れているのに更にびっくり。高いお金払って大学院へ進んでいるのに、これで納得する学生って…。

なにがすごいって、そんな死ぬほど勉強させてもらえる大学の学費がゼロだということだ。図書館の使用料と、学生保険で年間数万円もかからない。

 

大学だけではなく、公立であれば中・高ももちろん無料。

私は学費がかからなかった親孝行だ、と自画自賛している。

 

このテーマではいろいろ書きたいことがあるので、次はいつになるかわからないけど続きます。息子が寝ている間にブログまで手をつけられる日は奇跡に近いので…。