For No One

パリ、東京、ニューヨークでの思い出話や日々思うことをつらつらと書いていきます。

認め合うこと

昨夜から熱があります。去年コロナになったときほどしんどくはないけど、3連休で受診も難しく、明日検査キットを買ってみようかと。

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息子が通っている幼稚園で、1人だけママ友がいる。
フランス人なのだ。
色々省略して、彼女とはカラ友でもある。私はカラオケが結構マニアックに好きなんだけど、彼女も負けてないしびっくりするほど歌が上手で、お互い気を遣わず好きな曲を好きなだけ歌えて最高に楽しい。貴重な友人だ。
 
先日久しぶりに会って歌って、その後ご飯を食べた。
ワインどうしよう、と言ったら「ボトルで頼みましょ?だってグラスで何杯も頼んだらもったいないわ。私それほど飲まないけど」
と言いながら結局私より飲むという、自分の大胆さに気づいていない彼女の性格が私は好きだ。
 
夏休みは、親族が居るカナダへ行くらしい。
私たちはこれといった旅行はせず、日帰りで出かけるくらいかなあ。
正直私は子供の頃から動き過ぎて、もう旅行には疲れてしまっているところがある。荷造りして、移動して、帰ってから荷解きして洗濯して…と考えただけでウンザリするのだ。
 
「わかるわ、私も移動は好きじゃない。娘を親族に会わせたいから行くけど、ほんとにどこでもドアが欲しい」
 
うん、実はフランスもあまり行く気がしなくて。今親が住んでいる街は私が育ったところじゃないし、田舎町で遠いし、これといって息子が喜びそうなものがあるわけでもないし…。正直自分がフランスが合わなくて出てきたから、特に息子に見せたいわけではなくて。
 
こんな風に人に話したのは初めてかもしれない。「フランスに家族がいるなんて、行かなきゃ損でしょ!」みたいな偏見に縛られていた。
 
でも、彼女にはなぜかするっと本音で話せて自分でも驚いてしまった。
 
「そうだったのね。そりゃ何の思い入れも無い町なんて息子に見せても仕方ないわよ。それに、あなたにとってフランスは過去であって、今は違う人生を送ってるんだから無理して戻ることもないし、息子は大人になってから興味があれば自分で行けばいいのよ。よくわかるわ。」
 
誰かに肯定されると思ってもいなかったことをすんなりされると、面食らう。
 
でも、そうだ。
私にとってフランスは過去で、終わったことだからもういいんだ。
 
誰かに心の底から理解されるのは、進んでいく糧になる。
 
私も誰かのそういう存在になれているだろうか。
 
ありのままの自分を認められることの尊さを、熱と共にかみしめています。