For No One

パリ、東京、ニューヨークでの思い出話や日々思うことをつらつらと書いていきます。

ノイローゼと漢方のお話

年齢を感じるテーマですが、前回の投稿からの大きな節目の第一弾です。

 

息子が1歳半くらいのときだったかな。

とても必死で子育てをしていた。

両親はフランスだし、義理の親には頼りたくないし(そもそも遠いし)、夫の仕事も忙しかったので、今考えてみると大分ワンオペでやっていた。

ママ友も特に作りたくはなかったので、公園や児童館などもあまり行ってなかった。

とにかく私がいないと死んでしまう命を守ることに一所懸命で、自分のことは全部後回し。

しかもクソ真面目で、周りに話そうともしていなかったので、固定観念でかんじがらめになっていた。(主婦だから私が全部やらないと、食事は毎回作らないと、掃除機も毎日かけないと、離乳食は手作りできっちりグラム数も測らないと、などなど)

 

「私がちょっとここで我慢をすれば全て丸くおさまる」

「これはこうしなければいけない」

この二つの考えに完全に捕らわれていて、小さな我慢をコツコツと溜めていた。

 

で、そのうち眠れなくなった。

毎朝新聞配達のバイクの音がするまで寝られない。その音が恐怖になった。

 

そして、肌が壊れた。

こめかみから頬、鼻の周りにかけて無数の吹き出物ができ、一つ治るとまた一つでき、顔がボロボロになった。

 

あとは、食べたものが消化できなくなった。

ずっと胃の中の異物感が続いて、喉が詰まる感じもして、何を食べても美味しくなくなった。

 

生理の周期もおかしくなった。

予定日10日過ぎても来なかったり、かと思えば20日以内で来たり。

 

笑えなくなった。何も楽しくなくなった。夫も息子も愛しくなくなった。

 

今考えると絵に描いたような育児ノイローゼだったんだけど、自覚が全くなかったので周りに相談しようとも思っていなかった。

 

ある日、息子を連れて友だちと外で会う約束をしていたんだけど、時間が迫ってもどうしても準備する気力が湧かなかったので、初めてそこで他人に弱音を吐いた。

「ごめん、時間が近づいてるのにどうしても準備する気になれない。最近何もやる気が起きなくて、暗い私と一緒に居ても楽しくないと思うから、今日はキャンセルしてもいい?」

と連絡したら、その友だちは慌てて胃にやさしいランチを買って家まで来てくれた。

それで彼女と話して、やっと自分の状況が理解できてきた。

友だちはとても親身になって話を聞いてくれて、色々調べてくれてサポートしてくれて、あのとき彼女が居なかったらどうなっていたか想像したくもない。

 

とにかくこれは、ちょっと限りなく鬱に近いのではないだろうか。

このままではやばい。誰かに頼らないと。

 

とりあえず寝ないと。ということで、かかりつけの内科で状況を説明したらあっさり入眠剤を処方してくれた。

「寝られないときは無理をせず薬に頼るほうがいいときもあります。寝ないと治るものも治りませんから」と言われ、良い先生が居てありがたかった。

眠剤は、めちゃくちゃ効いた。

一晩ぐっすり寝られることが、こんなに気持ちのいいことだとは。ひとまずこれで精神状態は大分安定して、これからどうするか考える余裕ができた。

 

生理やら吹き出物やら消化不良は、不眠もあるけどホルモンバランスのせいでもあるだろうと思っていたら、友だちから「治療に直接役立つ情報じゃないけど」と送ってきたネット記事(ブログだったかな?)がとても興味深く。

うろ覚えだけど、アーユルヴェーダ的に女性の自己犠牲というのはとてもよろしくない。女性はまず自分が良い状態であることが大前提で、そこから初めて他人を幸せにすることができると。

自己犠牲して当たり前と思い込んでいたので、この記事は衝撃的だった。

その後さらに調べたら、女性の自己犠牲による不調は子宮に来ることが多いと。

 

とりあえずこの肌と周期を何とかしたいと調べたところ、西洋医学のホルモン治療か漢方治療の二択になりそうだった。ホルモン治療は即効性があり、漢方は時間が経たないと効果を感じにくい場合が多い。

もともとホルモンバランスが悪く、20歳の頃から15年間くらい低用量ピルを服用していたので、もうなるべく避けたかった。

 

というわけで、漢方を飲もう。

ネットで調べたけど、色々あり過ぎて個人差もあるし自分では決められない。

ということで、前から存在は知っていた多少怪しげで入りにくい雰囲気の漢方薬局へ行くことにした。藁をもつかむ思いだった。

 

長くなりそうなので続きます。