For No One

パリ、東京、ニューヨークでの思い出話や日々思うことをつらつらと書いていきます。

漢方薬局のおねえさん

前回の続き。

 

普通の状態だったらまず入ろうとしないであろう(←失礼)漢方薬局に、ベビーカーを押して入った私は本当に限界の状態だった。この状況から何としてでも抜け出したかった。

 

店員(店長?)のおねえさんもベビーカーに少しびっくりしていたけど(おそらくこのお店に入る人の平均年齢は70歳以上かと)、私が少し状況を説明したら椅子を勧めてくれて、詳しく話して欲しいと言われ、色々質問もされた。

 

「本当はたくさん寝るのが一番いいんですけど、今は無理ですよねぇ…。」

はい、不眠は薬のおかげで回避していますが、好きなだけ寝るのはちょっと難しいです…。

「体力はあるんですよね?貧血とかはないですか?」

はい、なぜか体力はあります。

「体は温かくても、手足の先が冷えたりしていませんか?」

はい、冷え性です。

「胃腸の具合も悪いですよね?消化不良というか。」

はい…なぜわかるのですか…。

「経血も鮮血じゃなくて、色が濃くてドロッとしたレバーみたいのが出ます?」

はい。って、それ普通じゃなかったんですか…?

「3か月前に、何かストレスがかかるようなことはありましたか?」

めちゃくちゃ思い当たることがあります。(ここでは割愛します)

「今月の生理の不調って、3か月前の自分の表れなんですよ」

ひえ~、そうなの~???

 

「なので今から飲む漢方の効き目が本当にわかるのは、3か月後になります。それまでに体調も少し改善するとは思いますが、3か月後の自分のためと思って飲み続けてみてください」

と言っておねえさんがくれたのは、当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)という漢方だった。

 

「内臓を温めて血の巡りを良くする漢方です。今は暖かい季節ですが、外から温めても内蔵までは届きません。今後インフルエンザなどの予防にもなりますよ。水分代謝も整えてくれるので、手足が冷えたりむくんだりするのも予防してくれます」

プロフェッショナルで詳しくて、べたべたし過ぎないけど丁寧に親身に接してくれて、心が弱っていた私には後光が見えるようなお方でした。

「訪問治療でよくお店が閉まっててすみません。飲んでみて合ってたらまたどうぞ」

 

入り口さえもう少しフレンドリーにすれば、入りやすくて色んな人が助かると思うんだけどなあ。

 

兎にも角にもその日から漢方生活が始まった。

本当に少しずつだけど体のバランスが整ってきて、肌も少しずつ落ち着き、情緒も安定して(書いてなかったけど一日100回くらいイライラしていた)、食欲もある程度戻ったのはおそらく2~3か月後だったと思う。

様子見で少しずつ買っていたので、2,3回目くらいに買い足しにお店へ行ったところ、

「ここで買っていただくのは構わないですが、もしかかりつけの内科があったらそこで処方してもらうと保険が効きますよ。もし長期的に飲み続けるつもりでしたらその方がいいと思います」

なんて商売っ気の無いお方。素敵すぎます。

というわけで翌月から、以前入眠剤を処方してくれた内科で漢方を処方してもらうようになった。

 

しかしその半年後くらいに、また同じような状態になってしまった。

 

続く。